イヤイヤ期

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すべての筆記具のグリップをプニュグリップにしろ

「プニュグリップ」という商品をご存知だろうか。
文房具屋や100円ショップの鉛筆コーナーに置いてある、鉛筆用のグリップである。

 


www.kutsuwa.co.jp

 

「使ってた!」「懐かしい!」と思った人もいるかもしれない。そう、この商品は主に子供の筆記補助として使われており、童心をくすぐるキラキラのラメカラーや少しチープな香りは、今でも多くの子供達の心をくすぐっていることだろう。

そんな子供向けのイメージがある商品だが、今年の三月、大人も使えるシンプルカラーのプニュグリップが登場したことをご存知だろうか!

 

シンプルなデザインに何にでも馴染む色。公式Twitterで「🍎ペンにも」紹介されている通り、以前からタブレットの専用ペンシルやガラスペンの保護など、「子供の文房具」の枠から飛び出しての使用は見られていた。このシンプルデザインシリーズはそんなプニュグリップ大人ユーザーのニーズに応えた商品である。

そう、もはやプニュグリップは、子供たちのためだけのものではないのである!

かくいう私も大人になってからプニュグリップの魅力を知った一人で、職場で使うペンにも、家用のシャーペンにも、wacomペンタブの太いペンにも半ば無理やりねじ込むようにしてプニュグリップをつけて使っている。プニュグリップをつけていないペンでは字が書きづらい、プニュグリップをつけたものばかり使ってしまう、プニュグリップなしでは生きていけない……。たとえグリップがちぎれかけであろうと、外すなんて考えられない!不格好がなんだ、これは歴戦の証なのだ!といった心持ちで愛用している。

しかし、しかしだ。

 

プニュグリップ、絶妙に「地味」なのである。

 

多くの人が商品の存在を知っており、多くの人が使ったことがある。紛れもなく成功している、素晴らしい商品だ。

しかしまだ足りない。

もっと、もっと人気になってほしい。

幅広く使われてほしい。

あわよくば、日本のすべての筆記具のグリップがプニュグリップになってほしい。

 

そんな野望を叶える一歩として、今日はプニュグリップの良さを語っていきたいと思う。

 

プニュグリップの良さ① 手が疲れにくい

プニュグリップの持ち味はもちろんそのぷにゅっとした触り心地だが、何も人々を和ませるためだけのプニュ感ではない。その柔らかさが余計な力を加えにくくさせ、自然とペンをふんわり持つことを可能にさせるのだ。

また、様々な形状があるプニュグリップの中でも、三角形のものとスタンダードな「右手用」「左手用」となっているものは、正しいペンの持ち方を補助することができる。正しい持ち方でペンを持つことが習慣づくと、それだけでも筆記は疲れにくい。ペンの持ち方に癖がある人は、特にこれらの形状をおすすめする。

 

ペンを持つ手が疲れにくいということは、長時間ペンを握っての作業に耐えうるということである。この効果を最も実感できるのは、ペンタブのペンに装着して絵なり漫画なりを書いている時だったりする。特に原稿など長時間の作業が必要となる場合には非常に捗ること間違いなしなので、同人作家諸氏にはぜひとも一度使ってみていただきたい。

なお、本当に力が入らなくなるため、筆圧は激弱になる。プニュグリップを装着してから筆圧設定も変え、シャーペンの芯は2Bを買うようになった。

 

プニュグリップの良さ② 字が(比較的)綺麗に書ける

私のように字があまり上手くない人間には、「ペンの持ち方が悪く、筆記の際に余計な力が入ってしまうゆえに狙ったところに線が引けない」というタイプがいるだろう。先に述べたようにプニュグリップはペンの持ち方の矯正もできるため、このタイプの字下手であれば、プニュグリップによってだいぶ改善されることが予想できる。

実際、学生時代よりどこか気の抜けた絶妙に汚い字を書いていた私自身も、プニュグリップをつけて字の練習をしてから、「個性の喪失」と言われるほどマシな字を書けるようになった。最初は練習の成果だと喜んだものの、グリップのついていないペンに持ち換えると、やはりどこか気の抜けた字に逆戻りしてしまったため、プニュグリップによる美文字効果は大きいと言っていいだろう。

持ち方以外にも、グリップをつけることでペン先が重くなり重心がぐっと下がることが、狙い通りに線を引きやすくしているようにも思う。線が引きやすければ絵も描きやすくなるだろうし、なによりフキダシなんかを書く時にはたいそう便利になるだろう*2

 

 

プニュグリップの良さ③ ペンだこができにくい

ペンを長時間使っているとどうしてもできてしまうのがペンだこである。でき始めは痛いし、ペンだこがあって嬉しいということもない。そんなペンだこに関する悩みも、プニュグリップにかかれば一発解消である。何せプニュプニュなんだから、そこが擦れて皮膚が固くなるなんてことは起こりようもない。

おまけにこのプニュ感は、できてしまった後の痛いペンだこも優しく守ってくれる。ペンだこだけではない、冬場のささくれの深剥けや指先にできる謎の湿疹など、どんなダメージもプニュグリップの前では消滅する。実はこれこそがプニュグリップの最大の魅力を感じる箇所であり、私がプニュグリップから逃れられなくなった理由でもある。プニュグリップのプニュ感はただ気持ち良いだけではない。とにかく優しいのである。

 

 以上のことから、プニュグリップは子供から同人作家まで広く包み込んでくれる懐の深い便利グッズだということがお分かりいただけたことと思う。同人誌書くならプニュグリップ!

しかしながら、ここまでのメリットを感じつつも、いくつか改善してほしいと思う点があるのも事実である。以下に挙げていく。

 

改善してほしい点① 着脱が大変

プニュグリップはもともと鉛筆に装着することを想定しているためか、やや内径が小さめである。そのため、ボールペンやシャーペンの軸にはややきつく、ペンタブのペンよりは細いはずのクルトガアドバンスにもぎゅうぎゅうと押し込むようにしてどうにか取り付けた形だ。また、もともと簡易的なグリップがついている事務用ボールペンなどに関しては、太さには余裕があってもグリップ同士が摩擦を起こして上手く押し込むことができない。手持ちの、いやこの世のすべての筆記具にプニュグリップを装着したいのに、装着できるペンが限られているのだ。

クツワさんにはぜひとも内径の大きいプニュグリップを出していただきたい。もしくはすべての文具メーカーはグリップを最初からプニュグリップにしてほしい……そう思いながらこのブログを綴っていたのだが、情報収集の途中で衝撃の動画を発見した。

 

 

 切っていいの!??!?!?!?!?!!?

 

【追記:というわけで切ってみた。】

螺旋のものではなくシンプルな流線型のプニュグリップを縦に切ってみた。

切れ込みのおかげで着脱は格段に楽になり、多少太さのあるペンにも快適につけることができるようになった……と思われた、が。

切れ目のおかげでグリップ本体が伸びることがなくなるため、ペンとの一体感が損なわれるうえ、太いペンに付けた際は「伸びて厚みが薄くなる」という効果がまったく無いため極太の持ちづらいペンが誕生してしまった。

もともとグリップを難なく装着できる太さのペンの場合は、着脱が楽になるゆえにグリップの水洗いや付け替え等も簡単になるためたいへん有効な手段だが、大体においては普通に装着した時の良さには敵わないと感じた。

やはり内径の大きいプニュグリップができてほしいし、すべての筆記具のグリップがデフォルトでプニュグリップになってほしい。

 

改善してほしい点② 香り付きの香りがきつい

プニュグリップにはさまざまな種類があるが、その多くは香り付きの商品である。

私自身は香りの無いシンプルシリーズとスタンダードのプニュグリップしか所持していないため、実感しているわけではないのだが(申し訳ない)、これらの商品には「香りがきつい」というレビューがよく見られた。

【追記:買った。女児の頃にさんざん嗅いだ匂いが部屋にたちこめた。】

メインターゲットが小学生である限り、子供ウケする商品を作るメーカーの意向はもちろん分かるのだが、大人になるとさすがに香り付きの文房具を外で使うのは困難である。そのうえ、親目線に立ったとしても、家の中があまりに強い人工的な香りに包まれるのは少々勘弁願いたい。

先に挙げた動画で使われている螺旋状のグリップやショートサイズは香り付きのみの販売なので、もう少し香りが弱いものや、いっそ無香のものがもっと豊富に出ると嬉しい。

 

 

 

以上二点が、実際に使用していて感じる改善点である。しかしながら、うち一つはメーカー側が動画で一応の解決策を発信し、もうひとつも実際に無香料かつシンプルパッケージの商品が出ていることから、プニュグリップ側はかなり歩み寄ってくれていることが分かる。

その他のデメリットとしては、「見た目がごつい」というものが考えられるが、こればかりはプニュ感と持ちやすさには替えられないだろうと思う。透明かつシンプルな円筒形のものはもとのペンの持ち味をほとんど崩さないので、デザインをネックに感じている人はまずはそのあたりから試してみてほしい。

 

学校を卒業してしまえば、まとまった文章を書く際にはパソコンを使うことがほとんどで、手書きで文字を書く頻度はぐんと減ってしまう時代である。しかしながら、紙とペンを用いて文字を書く機会というのは簡単に消失することもないし、職種や業種、趣味によってはいまだにペンを握る時間が長いという人もいるだろう。そんな時、いつもの筆記具が持ちやすければ、字が書きやすければ、ぐんとストレスは減ることだろう。プニュグリップは、私達に字を書くことの気楽さを思い出させてくれる、そんな商品だと思う。

だからやっぱり、すべての筆記具のグリップよ、プニュグリップになってくれ。

 

我が家のプニュグリップたち

手前二本の細さはすんなり入るよ

 

*1: °ω°

*2:絵は上手くなってはいないので気のせいという可能性もある