イヤイヤ期

ゲームの感想文やプレイ日記、その他Twitterに書ききれないことなど。@ksk_open

同人誌「キミのとなりで過ごす日々」あとがき

※この記事は、2月24日開催「ラヴ♥コレクション2019」にて頒布した同人誌のあとがき記事です。

 

コルダ3に出会って数ヶ月、人生で初めて同人誌を出し、そして今回二冊目として初めての夢小説本(爆笑)を出すこととなりました。いや、本当、すごいことだと思います。


そんなわけで、先日のラヴコレではじめて即売会にサークル参加しました。スペースに足を運んでくださった方、本を手にとってくださった方、本当にありがとうございます。

頒布の際にあとがきペーパーを同時に付けようと思っていたのですが、上手く印刷できず諦めたので、このたびブログ記事として公開することにしました。あとがきですので、読了後に読まれることを前提に書いています。もし暇すぎてこの記事だけ読んでしまい、「一体どんな本なんだ……」と気になった方がいましたらどうぞ通販をご利用ください(露骨な宣伝)

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 一応簡単に説明をすると、長く付き合ってるカップルが手も繋がずキスもせずだらだら喋ったり喧嘩したり喧嘩にもならなかったりする話を8人分集めた短編集です。どの話も大抵部屋の中かショッピングモールにいます。

記事一覧から見るとリンクが表示されないようですが、「続きを読む」をクリックすると上記リンクから飛べるようになります。ご活用ください。

 

各話あとがき 

天宮静「君色クローゼット」 

テーマ:彼が選ぶ彼女のファッション
季節:春服が並びはじめる2月

 この本は、最初にいくつか話のテーマを用意して、そこにキャラクターを当てはめていく形で構想を練っていきました。天宮くんはコルダ4の私服があまりにも独特で衝撃的だったので、このテーマを割り当てることにしました。扉絵の天宮くんの服装は、私が軽くラフを描いたものから作画担当さんに描き起こしていただいたものです。

 タイトルはテーマから連想するキーワードの組み合わせ。デパートのフロアを巨大なクローゼットに見立てる意味と、天宮くん本人のクローゼットも「君色」だよという意味の二つがあります。どちらも後付けですが、それっぽくてすごく気に入っています。

 

七海宗介「出動!あなたのヒーローです」

テーマ:彼女からの緊急呼び出し
季節:寒くて暗い12月~1月頃

 本全体の構想で最初に決まったテーマです。このテーマなら七海しかいないだろうと、配役もストーリーも即決でした。滑り出しがあまりにもスムーズすぎた反動か、締切直前になって修正に泣く羽目になりましたが……。ちなみに、「まあ、背は伸びてないけど」の一文がこだわりポイントです。

 タイトルはストーリー構想と同時に決めました。扉絵のタイトルロゴは作画担当さんにお願いしたものと私が作ったものがあるのですが、七海はタイトルと同時に扉絵ロゴもぱっと浮かんだので作らせてもらいました。すごく気に入っています。

 

榊大地「Sweety,Grumpr,Honey

テーマ:不機嫌な彼女
季節:イルミネーションが眩しい12月・クリスマス前

 榊大地という男は、不機嫌な女性の対応が上手いという以上に、その状況を楽しめる男なんだろうなと思ってこのテーマで書きました。榊大地とぴったり合うのは、なんだかんだ「女のプロ」って感じの、上手く女性性を使える人じゃないかと思います。なので、ヒロインは割と女っぽい可愛い言動をイメージしました。書いてる私は死んだ目でしたが。

 タイトルは「むすっくれた」という意味の「Grumpy」を、恋人をあらわす甘い単語でサンドしてみました。とんだ激甘サンドイッチの完成ですね。大地先輩っぽくてすごく気に入っています。

 

東金千秋「チョコレート・オーバーライト」

テーマ:半分こしましょ!
季節:2月の頭・バレンタインより前

 このテーマが七海のキャラソンと被っていることを知ったのはだいぶ後のことでした。七海にしなくてよかった。今回一番苦労したのがこの話です。ラストシーンは浮かんでいたもののそれ以外まったく進まず、二月に入ってチョコレートを狂ったように貪りながらようやく現在の形に持っていきました。千秋がボツにならなかったのは大量のチョコのおかげです。

 タイトルは「上書きする」という意味の「オーバーライト」に、作中で出てくる「チョコレート」の響きを重ねて。本編も難産ならタイトルも難産で、締切ギリギリに決まりました。本当に大変な男でしたが、千秋というキャラ自体はすごく気に入っています。

 

水嶋悠人「天高く、馬肥ゆる……?」 

テーマ:もしも彼女が太ったら……?
季節:秋の深まる11月頃

 ものすごくグサリとくるのに、何故か考えてしまうテーマ。健康に厳しそうではあるけれど、太ったからと見捨てることはしなさそうなハルくんを選びました。冒頭こそ心が痛みましたが、サマボちゃん三人のかけあいは書いていて楽しかったです。

タイトルはみるきさんに付けていただきました。言わずもがなことわざ由来ですが、話のテーマと季節感がぱっと分かり、ドタバタラブコメ風味(?)も感じられるタイトルですごく気に入っています。

 

水嶋新「Don't forget me,PLZ!!」 

テーマ:もしも彼女がドルオタだったら……?+記念日
季節:11月の最後の週

 実は最初、この話のテーマは「記念日」だけでした。ストーリーを考える際に彼女をドルオタにしたら、そっちの印象があまりにも強くなったので、テーマを二つ並べてみることにました。ヒロインのアクが強くてすいません。「記念日」のテーマを消さなかったのは、トーノのおまけ4コマがあったからという裏事情もあります。

 タイトルは「横文字にしたい!」という気持ちでさくっと決めました。新は本編もさくっと進んでいって非常に優等生でありがたかったです。本文も扉絵も新っぽくできた気がして、すごく気に入っています。

 

八木沢雪広「秋の空、彼女の背中」 

テーマ:もしも彼女が同人オタクだったら……?
季節:紅葉が始まる頃・おそらく11月前半

 なんなんでしょうね、このテーマ。アウトドア派の八木沢先輩と組み合わせて、インドアとアウトドアという対比構造にしてみました。アウトドア派同人オタクの方々にはすみません。八木沢先輩もヒロインも比較的おとなしいタイプで、かつ部屋から一歩も出ない話なので千秋に次いで苦戦しました。

タイトルはみるきさんの案から。タイトルに合わせて、「背中」を意識する場面を足したりもしました。扉絵は八木沢先輩の物言いたげな顔がなんだかとても可愛らしくて、すごく気に入っています。

 

芹沢睦「グッドモーニング・マイ・ラブ」 

テーマ:ふたりの静かな朝
季節:朝日がまぶしく空気の澄んだ1月頃

 最初は「家事」をテーマに、早起きした芹沢が一人で淡々と家事をこなしていく話でした。しかし、家事の描写があまりにも盛り上がらないことと、「男女が同じベッドで寝起きしているなんて破廉恥」と脳内のハルくんが騒ぎ出したことから、一度は全部ボツになりかけました。その後脳内のハルくんをどうにか宥め、オチだけを元のままに、現在の形に落ち着けました。

 タイトルは、「グッドモーニング」に甘さを足す感じで付けてみました。本文も他と比べたら甘いほうですが、タイトルと扉絵のイラスト、さらにロゴの相乗効果で甘さが五倍くらいになった気がします。扉絵とロゴのマッチングが最高で、見るたびににやけてしまうくらいすごく気に入っています。

 

全体を通して

 すごく気に入っていますを連呼しましたが、もう読むのは恥ずかしいです!!!!

本の末尾に乗せたあとがきにでも触れましたが、夜な夜な「私が太っても許してくれそうな男」とか「このキャラは絶対こうしてくれる」などという夢妄想を繰り返していて、楽しすぎる妄想トークをどうにか形にしたいという思いで出来上がったのが今回の本でした。イベント参加時のサークル名「夢女サミット」は、夢妄想トーク会を「夢女会議」と呼んでいたことに起因します。すごいヤバそうなサークル名で、印刷会社に報告するときやSNSで告知するときに若干、いやかなり恥ずかしかったです。

「夢漫画だと構図もなにもかも難しすぎるから小説にするしかない」という理由で小説本になりましたが、小説自体思春期に一瞬書いたことがあるか無いか……くらいのもので、夢小説の経験はゼロだったので、「自分が夢小説を書く」という事実だけでもう爆笑ものでした。練習がてら二本ほど短編を書いてPixivに上げるところから始めましたが、それだけでももう本当に顔から火が出そうで……。出来はもう今さら読み返すのも怖いのでなんとも言えませんが、それでも「このシチュエーション萌える」を人に共有できるのは楽しいものだなと思ったので、その勢いで原稿も進めていきました。

文章については推敲してもしてもおかしい気がして、人様の目に触れさせてよいものに仕上がったかどうか自分では判断がつきません!すみません!要するに「萌えシチュエーションの話を聞いて!!」ということなので、なんとなくで汲み取っていただけたら嬉しいです。ときめきが足りなかったら扉絵のイラストで補完してください。

おまけ4コマは、夢女会議の中で出た「萌えた、笑ったけど一本の話にするほどではない」「ページ数的にこのキャラは出せない」などのこぼれネタを拾い集めて描きました。本編と同様に「大人になっても長く付き合ってるカップル」の設定なのですが、トーノだけは設定に当てはめることが不可能だったのでああいった形になりました。どれも割と気に入っていますが、特に八木沢先輩と芹沢、長嶺あたりがお気に入りです。

ちなみに氷渡くんのピアスとメイクが無いのは「大人だしそんなにゴテゴテしてないだろう」と思ってあえてそうした……ということにしておいてください。すみませんでした。

 

今回は書いてて(妄想っぷりが激しくて)恥ずかしく、推敲して(文章の拙さが)恥ずかしく、出来上がった本を手にとってなお恥ずかしかった(もう何が恥ずかしいのか分からない)のですが、それでもこうして手元にあると何度もめくってしまうくらい思い入れのある本になりました。

妄想トークの盛り上がりから生まれた本ですが、もしこの本を読んで同じように妄想トークがしたくなった!という方がいたら是非とも妄想メッセージを送ってください。匿名でも実名(!?)でも構いませんので!

 

なお、今回表紙&扉絵を描いてくださった方の作画&私の原作で漫画を描いた響かな律の本もあるので、こちらもぜひよろしくお願いします。残り少なです!(露骨な宣伝)

50milky.booth.pm

 

ついでにもう一冊、夢女会議の途中「神戸に生まれて神南ふたり&八木沢先輩と幼馴染になりたい」という妄想が高じてできあがった作画担当さんの個人誌も絶賛通販中ですので、こちらもぜひよろしくお願いします!八木かなです!

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 使用フォント

備忘録としてここに書き残しておきます。昔フリーフォント集めが趣味だったことがあるくらいフォントが好きで、どこにどんなフォントを使うか考えるのがすごく楽しかったです。

表紙ロゴ、おまけ4コマページの上下……和音Jyoyo

まえがき文章、目次テーマ……うつくし明朝体
まえがき、目次見出し……ParismatchBright
目次タイトル……ロゴたいぷゴシック

本文……游明朝
本文タイトル、ヘッダー、あとがき文……游ゴシック

最後のかわいい文字の英語……S2Gらぶ

あとがき見出し……飴鞭ゴシック-L

 

扉絵ロゴ

七海……キルゴ
ハル……筑紫Aオールド明朝、ふぉんとうは怖い明朝体
新……ゴスペル EB
(千秋……なきむしポルカ
(芹沢……シンデレラ)

()内&その他の扉絵ロゴは作画のみるきさんにお任せしました!

 

 また、今回の作成にあたって、画像フリー素材を数点お借りしました。ありがとうございました。